アーシングとはボディーアースを強化すること。 効果については賛否両論ですが、私が実施した結果によると燃費が少し改善されているようです。 トルクが増えたとかパワーが上がったと感じる人もいるそうですが私は体感できませんでした。 理論から言って、よい効果は出ても悪い効果が出ることはないと思います。 もし、良い結果が出ればそれでいいですし、そうでなくても今以上悪くなることはないはず(もし、悪化したら外せばいいだけ)。 まぁ、やってみて損はしないと思います。



概念図


 自動車の配線はこのような感じになっています。 プラス側は電線を使用して配線され、マイナス側は各ユニットからシャーシの最も近い場所に接続されています。 しかしシャーシは鉄でできているため導電率が銅ほど良くなく、また接合部にも接触抵抗がありバッテリーのマイナス端子から離れるほど抵抗値も大きくなります。 さらに車が古くなるとユニット接合部の錆びや純正アースの断線などでさらに抵抗値が大きくなっている場合があります。 このような状態で電流が流れると抵抗を持つ部分で電圧降下が発生する為、各ユニットへの供給電圧も下がってしまいます。 この電圧降下は一定ではなく抵抗値や各ユニットが消費する電流値によって決まります(a点~b,c,d,e点での電圧値は違う)。 そこでバッテリーマイナス端子から各ユニットへ直接アースを接続することでシャーシでの電圧降下を0Vに近づける。 これが、アーシングです。

 取り付け前と取り付け後の変化を確認するためにバッテリーマイナス端子と各ユニット間の直流抵抗値と電圧を測定してみました。 シンクロスコープで測定できればよかったのです、そんなものは持ってないのでデジタルテスター測定。 この値が実際にどのような効果につながっているかはわかりませんが変化があったことは一目瞭然。

アース施工場所 取り付け前 取り付け後
抵抗[Ω] 電圧[mV] 抵抗[Ω] 電圧[mV]
インテークパイプ 26.2 -8.9 3.3 1.1
サージタンク 22.0 -8.6 3.3 -1.4
インジェクター1,2 21.0 -8.5 3.2 -1.4
インジェクター3,4 21.0 -8.5 3.2 -1.3
インジェクター5,6 21.0 -8.6 3.2 -1.3
クランク角センサー 25.0 -8.4 4.1 -1.7
水温センサー 23.5 -8.2 3.5 -1.3
パワトラ 24.3 -8.4 3.2 -1.2
エアクリーナ下部フレーム 4.8 2.2 3.5 1.1
右フェンダーAピラー付け根 4.2 1.5 2.2 0.5


それでは、ステージアにアーシングを施してみましょう。
1.材料を集める
・アース用ケーブル
 14sq(14平方ミリ)の耐熱ケーブルを準備しました。数軒のホームセンターを探して回りましたがこのサイズは手に入りませんでした。ブースタケーブルを切って使うのも一つの手です。
・圧着端子
 14sq(14平方ミリ)用の圧着端子、接続する場所によって8㎜穴と6㎜穴がありますので必要に応じて準備しましょう。
・バスバー
 バッテリ端子にはたくさんのケーブルを繋ぐことができないため、このバスバー中継して各ユニットと接続する。このバスバーは分電盤の配線に使われているものです。
・ボルト、ナット
端子の穴に合わせたサイズを選んでください。
2.アースケーブルを作成
・アースをしたい場所とアースケーブルを通すルートを決定し必要な長さでケーブルを切断します。
 ケーブルルートは被服の劣化を防ぐためできるだけ熱源から離したほうが良いでしょう。
・切断したアースケーブルに圧着端子を取り付ける。
 圧着したケーブルはさらに抵抗を減らすためハンダ揚げしておきます。ケーブルが太いのでガスバーナで直接加熱したほうがいいと思います。
3.アースケーブルを接続


拡大写真はこちらです。
・バッテリーへバスバーを取り付ける
 タワーバーの下部とバッテリーにバスバーを取り付けます。ここで取り付けるバスバーには全てのアースケーブルを接続しますのでしっかり取り付けましょう。
   タワーバー下部のバスバー:T点
   バッテリー端子のバスバー:B点 
・バスバー間を接続
 B点~T点間を14sqケーブル2本で接続します。 
・T点と右ピラー接合部付近のボルトを接続
・T点とオルタネータを接続
 絶対にFANと接触しないようにしてください。余長は必要なしですよ。


拡大写真はこちらです。
・T点とサージタンクを接続
・サージタンクとスロットルを接続(3本)
 スロットルは2連のものが3個ついているので、それぞれに接続します。 


拡大写真はこちらです。
・T点とパワトラを接続
 ケーブルはカムカバーに触れないようにしたほうがいいです。


拡大写真はこちらです。
・T点と水温センサーを接続
・水温センサーとクランク角センサーを接続
 ここもFANと接触しないよう注意!


拡大写真はこちらです。
・B点とエアクリーナ下のフレームを接続
 キャニスターの下部は純正アースが集まってきてましたのでここも接続しておきます。


拡大写真はこちらです。
・エアクリーナ下のフレームとインテークパイプを接続
 この部分はタービンの上になり、かなり高温になるようです。 圧着端子が変色していました。 耐熱ケーブル必須です。



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